内舘牧子『
カネを積まれても使いたくない日本語』
(朝日新書、 2013)
ここ数年、テレビを見ていて、政治家のヘンに丁寧な言葉遣いが気になっていました。(例えば「お示しする」などなど)
また、10数年くらい前から、あるスポーツ選手がインタビューに応じているときの「〜とは思います」という言い方がかなり気になっていました。
「〜と思います」でいいのに、なぜそこに「は」をつける? と。
この言い方、とみにそこココで耳にするようになりました。
この本では、気にかかっていたことや言われて気づいた言葉の使い方が、あれもこれもとスパッと出てきます。
政治家の丁寧な言い回しや「〜とは思います」についても書かれていて、合点がいきました。
妙な気遣いや、責任を逃れるような曖昧な言い回しが増えているご時世が見えてきて、おもしろいです。
「言葉は生きものであり、時代とともに変化するもの」
(「前書き」より) で、どんな言葉に違和感や不快感を持つか、人の感覚はさまざま。
そう心得たうえで、人前で話したり、文章を書く人(ネット上のものやメールも含めて)におすすめしたい、読んで損はない一冊だと思います。