
飯島奈美『 L I F E なんでもない日、おめでとう!のごはん。』(ほぼ日刊イトイ新聞、2009)
おはぎが以前にも増して好きに。
たいていどこで買ったものでもおいしく食べてしまいます。
そんな中でも、ひときわ心に残るおはぎが。
何年か前、実家へ帰ったときのこと。
母や叔母から「おいしい」と評判だった、おねえさん(兄の奥さん)の作ったおはぎをいただく。
ひとたび口に入れると……ほんとにおいしい。
おねえさんによると、飯島奈美さんの『 L I F E 』を見て作ったとのこと。
レシピどおりに作ると「まちがいがない」と言うのです。
(糸井重里さんも『 L I F E 』の中でそう書いていました)
「まちがいがない」
その簡潔な言葉に感動しました。
本を見せてもらうと、作り方の手順も写真に沿っていてわかりやすく、まるでおもてなしをしてもらっているような本づくり。
本の中で「おばあちゃんちのおはぎ」と紹介されていた言葉がぴったりの、ほっとするおいしさでした。
それから2年後。
八ヶ岳に出かけたとき、地元のスーパーで見つけたおはぎ。
すると、あら。
甘さ控えめで、どこかほっとするおいしさ。
この味、というより、このほっとした感に覚えあり。
この感じ……。
実家に帰ったとき、おねえさんが作ってくれたおはぎの味を思い出した。
もしかして、このお店も飯島さんのレシピをもとに作っているのでは? と、勝手な推測をしたほど。
もしそうだとしたら、いえ、そうでなくとも、レシピの力って、すごい。
ひとの記憶まで呼び起こしてしまうなんて。
後日談。
この本の存在を知ってからずいぶんたちますが、先日、小豆を煮るときに、この本の手順どおりやってみました。
すると、別のレシピを参考にしたときよりふっくらと仕上がり、とてもおいしかったのです。
お砂糖を控えめにしたので、「レシピどおり」と大きな声では言えないのですが、レシピの素晴らしさをまたまた実感しました。