
荒井良二『あさになったのでまどをあけますよ』(偕成社、2011)
ページを開くごとに、朝の光と空気、朝日のあたっている新しくてあたたかい感じ、自分が暮らしている(暮らしていた)場所や旅先で見かけた朝の光景、そのとき感じた空気まで思い起こす。
手描きのタイトルや文章も語りかけられてる声のよう。
荒井良二さんからのプレゼントのよう。
荒井さんがイラストから絵本の世界へ重心を移していったとき、わざとこわれた絵を描こうとしているような印象を持ってしまっていたのだけど、ここでは正面から絵がとびこんできた。
絵の力に、おなかの底まで呼吸が行きわたるような、ストンとした感じになる。
今朝、心の中で口ずさむように「あさになったのでまどをあけますよ」と、窓を開けた。