デザイン・印刷・紙・加工に関する情報誌。
たとえば、2016年10月発売の29号はなんと、表紙も本文用紙もオール和紙!
手にとって読んでいると……和紙の手触りが心地よく、なんだかほっとした気分に。
温泉であたたまったときのよう。
はぁぁぁ。と、何度も声に出す始末。
このほっと感は軽さから来ていることにも気づきました。
和紙は洋紙に比べて、紙の密度が低いので、空気を含んでふわっと嵩高(かさだか)。
軽さ(重さ)がこんなにも気持ちを軽くしてくれるとは。
道具と同じ。と、和紙のよさが体感までもできるつくりに。
毎回、こんなふうに、特集にちなんだ実験的な試みを表紙や誌面にほどこしている、チャレンジングな雑誌。
印刷や紙、加工に関する見本帖としても使えます。
毎回、驚くほどボリュームたっぷりなんです。(雑誌の厚みも)
そして毎号、扉に掲げてある言葉がよいのです。
デザイナー、
デザイナーへ仕事をお願いする人、
それを受け取って印刷や加工をする人、
みんなに役立つデザインと
技術情報をつめこみました。
これを読めば、知らず知らずに
あなたの “ デザインのひきだし ” は
一段ずつ増えていくはずです。
目的がはっきりしているというか、読む人の顔が見えているというか、作り手の心意気というか、鼻息すら(ンふッ!と)伝わってくるようで、なんとも気持ちがいいです。
以前、パッケージデザインの仕事で加工についての知識が必要になったとき、手に取ったのが最初のきっかけ。
その調べものの際には随分と助けられました。
確実に、私の中にひきだしがひとつ増えたのでした。
特集以外の記事も読み応えありで、バックナンバー全巻に目を通したくなるイキオイです。(実際、その後、全巻に目を通しました)
鼻息、カモ〜ン。です。
ところでこの雑誌、誤植を見かけることが時おりあります。
(致命的なものでなくて、どれもちょっとした見落としとわかるくらいのもの)
誤植というと、ふつうはマイナスイメージ。
でも、この雑誌にかぎっては、毎回このボリューム。きっとそこまで手が回らなかったのかも……と、制作のにぎにぎしい現場が見えてくるよう。
誤植を珍しくもほほえましく感じてしまう、作り手が見えてくる雑誌でもあるのです。